老後の保険の見直し:公的制度を確かめてから、足りない分を考える
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このページの結論
保険の見直しは、公的制度でどこまで賄えるかを先に確かめるところから始めます。医療費には月の自己負担に上限があり(高額療養費制度)、介護には介護保険があります。
そのうえで、公的制度では足りない部分だけを民間の保険で考えます。保険料は年額に直し、固定費の一つとして見ます。
見直す順番
- 公的制度で賄える範囲を確かめる:医療・介護で、自分がいくらまで負担するのかを知ります(下の表)。
- 今の契約を一覧にする:入っている保険を、保障の中身・保険料・満了の時期と一緒に書き出します。
- 保険料を年額に直す:月払いは12を掛け、年払いはそのまま。全部の合計が、1年に保険へ払っている額です。
- 足りない部分を考える:公的制度と貯え(予備費)で足りない部分があるか、それを保険で備える必要があるかを考えます。
公的制度で賄える範囲
一人暮らしの老後に関わる主な公的制度の入口です。金額や条件は年齢と所得で変わります。
| 場面 | 公的制度 | どこまで賄われるか |
|---|---|---|
| 病院にかかる | 公的医療保険(窓口負担) | 70〜74歳は原則2割、75歳以上は原則1割の負担(所得により2割・3割)(出典:厚生労働省) |
| 医療費が高額になった | 高額療養費制度 | 1か月の自己負担に上限があり、超えた分は払い戻される。2026年8月から年間の上限もできた(出典:厚生労働省) |
| 介護が必要になった | 介護保険 | 要介護認定を受けると、サービスの自己負担は原則1割(所得により2割・3割)。月の上限(高額介護サービス費)もある(出典:厚生労働省) |
具体的な割合や上限額は老後の医療費・介護費で整理しています。入院時の食事代や差額ベッド代など、上限とは別にかかる費用もあるため、病院や加入している保険の窓口で確かめてください。
一人暮らしと死亡保障
死亡保険の主な役割は、亡くなった後に残された家族の生活を支えることです。養っている家族がいない一人暮らしでは、家族のいる世帯とは必要性の考え方が違います。
ただし、葬儀や住まいの片付けの費用をどうするか、誰に何を託すかなど、一人暮らしならではの事情もあります。必要かどうかは、契約の目的を書き出したうえで、一人ひとり判断します。このサイトでは「この保険は要らない」とは言いません。
今の契約を一覧にする
入っている保険を、次の項目で書き出します。保険の種類ごとに1行です。
| 項目 | 書くこと | 見る書類 |
|---|---|---|
| 保険の種類 | 医療、がん、死亡、火災・地震、自動車、個人賠償など | 保険証券 |
| 保障の中身 | 何のときに、いくら出るか(入院1日あたり、一時金など) | 保険証券、契約のしおり |
| 保険料(年額) | 月払いは12を掛ける。年払いはそのまま | 払込通知、通帳・カードの明細 |
| 期間・満了 | いつまで保障されるか、いつまで払うか、更新で保険料が上がるか | 保険証券、更新の案内 |
手元の書類で確かめる
見る書類
- 保険証券
- 契約のしおり
- 保険料の払込通知
- 通帳・カードの明細
- 通帳やカードの明細で、保険料の引き落としをすべて探します。忘れていた契約が見つかることがあります。
- 保険証券で、保障の中身と期間、更新のときに保険料が上がるかを確かめます。
- 保険料を年額に直して合計し、固定費の一覧に書き込みます。
- わからない点は、契約している保険会社に問い合わせます。
迷ったときの相談先
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:保険を含む金融サービスについての相談(0570-016811、平日10時〜17時)。助言や情報の提供をする窓口で、保険会社との個別のトラブルのあっせんはしません(出典:金融庁)。
- 消費者ホットライン(188):近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してくれます。強引な勧誘などで困ったときに(出典:消費者庁)。
- 医療・介護の制度:市区町村の窓口や、地域包括支援センター。
5つのものさしで点検
- 1. 月額と年額をそろえる月払いの保険料は12を掛けて、年に保険へいくら払っているかを見る
- 2. 固定費と変動費を分ける保険料は固定費。収入に対して重すぎないかを固定費の一覧で確かめる
- 3. 手取りで見る保険料は手取りの年金から払う。払い続けられる額かを手取りで見る
- 4. 一時費用と予備費を分ける少額の出費は保険でなく予備費で賄う、という分け方もある
- 5. 公的制度で賄える範囲を先に確認する高額療養費や介護保険で自分がいくらまで負担するかを、先に確かめる
出典と確認日
数字や制度は、次の公的な情報源で確認しました。制度は改正されることがあるため、利用前に最新の情報を確かめてください。
- 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」
確認した内容:70〜74歳は2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は1割(一定以上の所得がある人は2割、現役並み所得者は3割)。75歳以上の2割は2022年10月から
確認日: - 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(イメージ)」
確認した内容:2026年8月から自己負担の上限額を見直し、年間の上限を新たに設けること。70歳以上で年収約370万円以下の人の外来(個人ごと)の上限は月22,000円・年216,000円(2026年8月〜2027年7月)。2027年8月にも見直しがあること
確認日: - 厚生労働省「介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」」
確認した内容:介護サービスの自己負担は原則1割(一定以上の所得がある人は2割または3割)。在宅サービスの1か月の上限(区分支給限度基準額)は要支援1の50,320円〜要介護5の362,170円で、超えた分は全額自己負担。高額介護サービス費の月の上限(課税所得380万円未満の世帯は44,400円など)
確認日: - 金融庁「金融サービス利用者相談室」
確認した内容:保険を含む金融サービスの相談窓口(0570-016811、平日10時〜17時)。助言や情報提供をするが、金融機関との個別のトラブルのあっせん・仲介はしないこと
確認日: - 消費者庁「消費者ホットライン」
確認した内容:188は、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内する全国共通の番号であること
確認日: