本文へ移動
ひとり老後ガイド

老後の医療費・介護費:自己負担の割合と、月の上限の仕組み

最終更新:

このページの結論

医療費の窓口負担は、75歳以上なら原則1割、70〜74歳なら原則2割です。さらに高額療養費制度で、1か月の自己負担に上限があります。介護サービスの自己負担も原則1割で、月の上限があります。

備えるときは、まず自分の負担の割合と上限額を確かめ、上限の数か月分を目安に予備費として分けておく、という順で考えます。将来いくらかかるかは人によって大きく違うため、このサイトでは金額を決めつけません。

医療費の窓口負担

医療費の窓口負担の割合(厚生労働省)
年齢負担の割合
70〜74歳2割(現役並みの所得がある人は3割)
75歳以上1割(一定以上の所得がある人は2割、現役並みの所得がある人は3割)

(出典:厚生労働省)75歳以上の人は「後期高齢者医療制度」に入ります。自分の負担の割合は、加入している医療保険から届く書類で確かめられます。

月の上限(高額療養費制度)

1か月(1日から月末まで)の医療費の自己負担が上限を超えると、超えた分が払い戻されます。2026年8月からは上限額が見直され、年間の上限も新しく設けられました(出典:厚生労働省)。

75歳以上(後期高齢者医療)の自己負担の上限の例(2026年8月〜2027年7月の診療分)
所得の区分外来(個人ごと・月)外来+入院(世帯ごと・月)年間の上限
一般(窓口負担1割・2割)22,000円61,500円530,000円
住民税非課税等(区分II)11,000円25,700円290,000円
住民税非課税等(区分I)8,000円15,700円180,000円

(出典:東京都後期高齢者医療広域連合)現役並みの所得がある人は、別の計算式で上限が決まります。一般の区分では、外来だけの年間の上限(216,000円)もあります(出典:厚生労働省)。上限額は2027年8月にも見直しが予定されています。自分の区分と最新の上限額は、加入している医療保険(75歳以上なら後期高齢者医療広域連合や市区町村の窓口)で確かめてください。

介護保険の自己負担

介護サービスの自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割です(出典:厚生労働省)。自宅で受けるサービスには、要介護度ごとに1か月に使える上限(区分支給限度基準額)があり、超えた分は全額が自己負担です。

在宅サービスの1か月の上限(区分支給限度基準額、厚生労働省)
要介護度1か月の上限
要支援150,320円
要支援2105,310円
要介護1167,650円
要介護2197,050円
要介護3270,480円
要介護4309,380円
要介護5362,170円

この上限は「サービスの費用」の上限で、自己負担はその1〜3割です。自己負担が高額になったときは、高額介護サービス費として月の上限を超えた分が払い戻されます(課税所得380万円未満の世帯は月44,400円など、所得で変わります)(出典:厚生労働省)。

介護保険を使うまでの流れ

  1. 相談・申請:市区町村の窓口で要介護認定を申請します。どこに相談すればいいかわからないときは、地域包括支援センターに相談できます。
  2. 認定調査と主治医意見書:調査員が自宅などを訪ねて心身の状態を確かめ、市区町村が主治医に意見書を依頼します。
  3. 結果の通知:申請から原則30日以内に、要支援1・2、要介護1〜5、非該当のどれかが通知されます。
  4. ケアプランを作って利用開始:要介護1以上はケアマネジャー、要支援は地域包括支援センターにケアプランを依頼し、事業所と契約して使い始めます。

(出典:厚生労働省)手続きの詳しい内容は、今後「手続き・制度」のテーマで扱う予定です。このページでは費用の面だけを整理しています。

将来の費用をどう見積もるか

病気や介護がいつ、どのくらい必要になるかは人によって大きく違い、将来の費用を一つの金額で言うことはできません。このサイトでは「老後の医療費はいくら必要」とは書きません。代わりに、次の順で自分の数字を確かめます。

手元の書類で確かめる

見る書類

  1. 医療保険から届く書類で、自分の窓口負担の割合(1割・2割・3割)を確かめます。
  2. 加入している医療保険の窓口で、自分の所得の区分と、高額療養費の月・年間の上限額を確かめます。
  3. 1年分の医療費の領収書を合計し、今の自分が1年に医療にいくら使っているかを出します。
  4. 月の上限額の数か月分を目安に、予備費として分けておくかを考えます。

予備費の考え方は老後の予備費で、保険で備えるかどうかは老後の保険の見直しで整理しています。

5つのものさしで点検

  1. 1. 月額と年額をそろえる高額療養費は月の上限と年間の上限がある。月と年の両方で見る
  2. 2. 固定費と変動費を分ける通院の自己負担が毎月続くなら、固定費に近いものとして一覧に入れる
  3. 3. 手取りで見る保険料や自己負担の割合は所得で変わる。年金の額面ではなく区分で確かめる
  4. 4. 一時費用と予備費を分ける入院など突然の出費は、月の上限額をもとに予備費で備える
  5. 5. 公的制度で賄える範囲を先に確認する高額療養費・介護保険の上限を確かめてから、民間の保険の要否を考える

出典と確認日

数字や制度は、次の公的な情報源で確認しました。制度は改正されることがあるため、利用前に最新の情報を確かめてください。

  1. 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」
    確認した内容:70〜74歳は2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は1割(一定以上の所得がある人は2割、現役並み所得者は3割)。75歳以上の2割は2022年10月から
    確認日:
  2. 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(イメージ)」
    確認した内容:2026年8月から自己負担の上限額を見直し、年間の上限を新たに設けること。70歳以上で年収約370万円以下の人の外来(個人ごと)の上限は月22,000円・年216,000円(2026年8月〜2027年7月)。2027年8月にも見直しがあること
    確認日:
  3. 東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」
    確認した内容:75歳以上(後期高齢者医療)の2026年8月〜2027年7月診療分の上限額:一般(1割・2割)は外来(個人ごと)22,000円、外来+入院(世帯ごと)61,500円(多数回44,400円)、年間上限530,000円。住民税非課税等の区分IIは11,000円/25,700円、区分Iは8,000円/15,700円
    確認日:
  4. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」」
    確認した内容:介護サービスの自己負担は原則1割(一定以上の所得がある人は2割または3割)。在宅サービスの1か月の上限(区分支給限度基準額)は要支援1の50,320円〜要介護5の362,170円で、超えた分は全額自己負担。高額介護サービス費の月の上限(課税所得380万円未満の世帯は44,400円など)
    確認日:
  5. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」」
    確認した内容:市区町村の窓口で要介護認定を申請し、認定調査と主治医意見書をもとに判定、結果は原則30日以内に通知。要介護1以上はケアマネジャー、要支援は地域包括支援センターにケアプランを依頼してから利用すること
    確認日: