本文へ移動
ひとり老後ガイド

終の棲家の種類を比較:7つの選択肢を同じものさしで

最終更新:

このページの結論

初期費用を抑えやすいのは中古戸建て・空き家・賃貸、暮らしやすさを最初から作り込めるのは新築の平屋、見守りがあるのはサ高住です。

ただし、どれも立地で「徒歩で生活できるか」が決まり、買う場合は改修費、借りる場合は一生続く家賃が分かれ目になります。下の比較では、7つすべてに同じ項目を同じ順番で並べています。

7つの選択肢の比較表

金額は物件や地域で大きく変わるため、この表では金額を載せず、費用の「中身」と傾向を比べています。買う場合の総額の内訳は1,000万円で終の棲家は買えるかで整理しています。

表が画面に収まらないときは、表の中を横にスクロールできます。左端の項目名は動きません。

終の棲家の種類の比較
項目中古の戸建て空き家(空き家バンクなど)新築の小さな平屋賃貸住宅サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)シェアハウストレーラーハウス
初期費用物件価格+諸費用+改修費。改修費は家の状態で大きく変わる物件価格は低いことが多いが、改修費がかさみやすい土地代+建築費+諸費用。中古より高くなりやすい敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し代敷金など。入居時の費用は物件ごとに違う賃貸と同様(物件ごとに違う)本体価格+設置費用+土地代(または借地料)+給排水・電気の接続費
年間の固定費固定資産税、火災保険、修繕費固定資産税、火災保険、修繕費固定資産税(新築の住宅は3年間、税額が2分の1になる特例あり)、火災保険家賃と更新料が一生続く。固定資産税や大きな修繕費はかからない家賃+共益費+サービス費。月々の負担は一般の賃貸より高めになりやすい家賃+共益費設置の仕方で税金の扱いが変わる。土地を借りれば地代
徒歩で生活できるか立地しだい。駅や中心部に近い物件を選べば可能郊外や山間部の物件も多く、徒歩圏に店や病院がないこともある土地の場所しだい駅や中心部に近い物件を選びやすい物件しだい都市部の物件が多い設置できる土地しだい
バリアフリー化2階建てが多く、間取りによっては難しい古い家が多く、段差の解消に工事が必要になりやすい最初から段差のない設計にできる自分で改修できないことが多い登録基準でバリアフリーが求められている物件しだい。共用部の段差が問題になることも車輪の上に載るため、出入り口に段差ができやすい
弱点耐震・水回り・断熱の傷みが見えにくい。修繕の手配を自分でする必要がある長く人が住んでいない家は傷みが進んでいる。立地の差が大きい土地代込みでは予算内に収めにくい。土地探しから必要高齢になると入居を断られることがある。家賃は年金生活でも払い続ける月々の費用が高めで、介護が重くなると住み替えが必要になる場合がある高齢者を受け入れる物件が限られる。共同生活のルールが合わないこともある条件を満たさないと建築物の扱いになる。断熱や結露、長期の耐久性に不安
向く人改修の見積もりを取って総額で比べられる人現地を何度も見に行け、改修に時間とお金をかけられる人予算に余裕があり、長く住む前提で設計から考えたい人住む場所を柔軟に変えたい人、修繕の手間を持ちたくない人安否確認や生活相談がある環境で、一人で暮らし続けたい人人とのつながりを保ちたく、共同生活に抵抗のない人設置場所の条件や法律上の扱いを自分で確かめられる人
終の棲家の種類の比較
選択肢初期費用年間の固定費徒歩で生活できるかバリアフリー化弱点向く人
中古の戸建て物件価格+諸費用+改修費。改修費は家の状態で大きく変わる固定資産税、火災保険、修繕費立地しだい。駅や中心部に近い物件を選べば可能2階建てが多く、間取りによっては難しい耐震・水回り・断熱の傷みが見えにくい。修繕の手配を自分でする必要がある改修の見積もりを取って総額で比べられる人
空き家(空き家バンクなど)物件価格は低いことが多いが、改修費がかさみやすい固定資産税、火災保険、修繕費郊外や山間部の物件も多く、徒歩圏に店や病院がないこともある古い家が多く、段差の解消に工事が必要になりやすい長く人が住んでいない家は傷みが進んでいる。立地の差が大きい現地を何度も見に行け、改修に時間とお金をかけられる人
新築の小さな平屋土地代+建築費+諸費用。中古より高くなりやすい固定資産税(新築の住宅は3年間、税額が2分の1になる特例あり)、火災保険土地の場所しだい最初から段差のない設計にできる土地代込みでは予算内に収めにくい。土地探しから必要予算に余裕があり、長く住む前提で設計から考えたい人
賃貸住宅敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し代家賃と更新料が一生続く。固定資産税や大きな修繕費はかからない駅や中心部に近い物件を選びやすい自分で改修できないことが多い高齢になると入居を断られることがある。家賃は年金生活でも払い続ける住む場所を柔軟に変えたい人、修繕の手間を持ちたくない人
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)敷金など。入居時の費用は物件ごとに違う家賃+共益費+サービス費。月々の負担は一般の賃貸より高めになりやすい物件しだい登録基準でバリアフリーが求められている月々の費用が高めで、介護が重くなると住み替えが必要になる場合がある安否確認や生活相談がある環境で、一人で暮らし続けたい人
シェアハウス賃貸と同様(物件ごとに違う)家賃+共益費都市部の物件が多い物件しだい。共用部の段差が問題になることも高齢者を受け入れる物件が限られる。共同生活のルールが合わないこともある人とのつながりを保ちたく、共同生活に抵抗のない人
トレーラーハウス本体価格+設置費用+土地代(または借地料)+給排水・電気の接続費設置の仕方で税金の扱いが変わる。土地を借りれば地代設置できる土地しだい車輪の上に載るため、出入り口に段差ができやすい条件を満たさないと建築物の扱いになる。断熱や結露、長期の耐久性に不安設置場所の条件や法律上の扱いを自分で確かめられる人

選択肢ごとの補足

中古の戸建て

木造住宅は、昭和56年(1981年)6月以降に建てられたかをまず確認します。それより前の家は、耐震診断と必要に応じた耐震改修が勧められています(出典:国土交通省)。固定資産税の建物分は築年数で下がりますが、新築時の2割ほどで下げ止まり、土地分は下がりません(出典:総務省 自治税務局資産評価室)。

空き家

自治体が集めた空き家の情報は、国が後押しする「全国版空き家・空き地バンク」で地域をまたいで探せます(出典:国土交通省)。800万円以下の物件は、仲介手数料の上限が税込33万円までになる特例があります(出典:国土交通省)。価格の安さだけでなく、改修費と立地を必ず確認してください。

新築の小さな平屋

段差のない間取りにでき、2階への上り下りがないのが利点です。新築の住宅は、固定資産税が3年間2分の1になる特例があります(出典:総務省)。一方で、土地代と建築費を合わせると、1,000万円程度の予算では難しいことが多くなります。具体的な価格帯は、今後別のページで出典をそろえて整理する予定です。

賃貸住宅

修繕や固定資産税の心配がない一方、高齢の単身者は入居を断られることがあります。2025年10月からは、大家と居住支援法人などが連携して安否確認や見守りを行う「居住サポート住宅」の認定制度が始まっています(出典:国土交通省)。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

バリアフリーの賃貸住宅で、床面積は原則25㎡以上、安否確認(状況把握)と生活相談のサービスが必ずつきます(出典:国土交通省)。介護サービスが含まれるかどうかは物件ごとに違うため、介護が必要になったときにどこまで住み続けられるかを入居前に確認します。月々の費用は物件で大きく違うため、このページでは金額を載せていません。

シェアハウス

ひとりでも人の気配がある暮らしができる選択肢です。ただし高齢者を受け入れる物件は限られ、公的な統計で費用の目安を確認できなかったため、金額は載せていません。

トレーラーハウス

車検を受けて公道を随時かつ任意に移動できる状態でなければ、建築物として扱われます(出典:神奈川県建築行政連絡協議会)。建築物になると、建てられる土地や手続きの制限がかかります。設置する土地の自治体に、事前に確認してください。

出典と確認日

数字や制度は、次の公的な情報源で確認しました。制度は改正されることがあるため、利用前に最新の情報を確かめてください。

  1. 国土交通省「住まいの耐震化:地震の被害と耐震改修の必要性」
    確認した内容:昭和56年(1981年)6月以降に建てられたかをまず確認し、それ以前の木造住宅は耐震診断・耐震改修を勧めていること
    確認日:
  2. 総務省 自治税務局資産評価室「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)」
    確認した内容:木造家屋の評価額は築年数(経年減点補正率)で下がるが、最終残価率は0.20(新築時相当の2割)で下げ止まること。家屋の評価は再建築価格を基準にすること
    確認日:
  3. 総務省「地方税制度|固定資産税の概要」
    確認した内容:1月1日の所有者に課税、標準税率1.4%、免税点(土地30万円・家屋20万円)、小規模住宅用地(200㎡以下)は6分の1、3年ごとの評価替え、宅地は地価公示価格等の7割を目途に評価
    確認日:
  4. 国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」
    確認した内容:自治体の空き家情報を横断して検索できる「全国版空き家・空き地バンク」があること(LIFULL・アットホームの2社が運営)
    確認日:
  5. 国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(空き家等に係る仲介手数料の特例)」
    確認した内容:2024年7月1日以降、800万円以下の宅地建物は仲介手数料の上限が「30万円×1.1倍」(税込33万円)まで認められる特例
    確認日:
  6. 国土交通省「居住サポート住宅情報提供システムの公開(報道発表資料)」
    確認した内容:2025年10月1日から、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎを行う「居住サポート住宅」の認定制度が始まったこと
    確認日:
  7. 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」
    確認した内容:床面積は原則25㎡以上、バリアフリー(廊下幅・段差解消・手すり)、状況把握(安否確認)と生活相談が必須のサービス
    確認日:
  8. 神奈川県建築行政連絡協議会「トレーラーハウスの建築基準法上の取扱い(国の通知 昭和62年住指発第419号・平成9年住指発第170号を踏まえたもの)」
    確認した内容:車検を受け、公道を随時かつ任意に移動できる状態でなければ、建築物として扱われること
    確認日: