築20年以上の固定資産税はどこまで下がるか:建物と土地は別々に考える
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このページの結論
築年数で下がるのは建物の分だけです。木造の建物の評価は年々下がりますが、新築時の2割ほどで下げ止まります。
土地の分は、築年数では下がりません。そのため「築20年以上の家なら固定資産税はほとんどかからない」とは限らず、土地の評価が高い場所では、築古でも税額が残ります。
固定資産税のしくみ
固定資産税は、毎年1月1日の時点の所有者に、土地と建物それぞれの評価額をもとにかかる市町村の税金です。標準税率は1.4%で、評価額は3年ごとに見直されます(評価替え)(出典:総務省)。地域によっては、さらに都市計画税(上限0.3%)がかかります(出典:国土交通省)。
固定資産税 = 土地の分 + 建物の分(それぞれ 課税のもとになる額 × 1.4%)
土地と建物では、評価の決まり方がまったく違います。
建物:築年数で下がるが、2割ほどで止まる
建物の評価は、同じ建物をいま建て直したらいくらかかるか(再建築価格)をもとに、古くなった分を差し引いて決まります(出典:総務省 自治税務局資産評価室)。木造の住宅では、差し引いた後の評価は新築時相当の0.20(2割)で下げ止まります(出典:総務省 自治税務局資産評価室)。
2割に達するまでの年数は、建物の区分(1㎡あたりの評点数)によって15年・20年・25年・35年のいずれかです(出典:総務省 自治税務局資産評価室)。築20年以上の木造住宅でも、まだ下がっている途中の家もあれば、すでに下げ止まった家もあります。
- 建物・新築のころ
- 100
- 建物・築15〜35年以降(木造)
- 20ほどで止まる
- 土地・新築のころ
- 100
- 土地・築年数がたっても
- 100のまま
土地の評価は地価をもとに3年ごとに見直されるため、地価が上がれば上がり、下がれば下がります。築年数とは関係しません。
土地:築年数では下がらない
土地の評価は地価をもとにしていて、宅地は地価公示価格等の7割を目安に評価されます(出典:総務省)。建物がどれだけ古くなっても、土地の評価は変わりません。地価が上がれば上がり、下がれば下がります。
住宅が建っている土地は税金が軽くなります。住宅1戸あたり200㎡以下の部分は、課税のもとになる額が6分の1になります(出典:総務省)。都市計画税では3分の1です(出典:国土交通省)。この特例は家が建っているからこそ受けられるため、建物の古さとは関係なく続きます。
築20年以上でも下がりにくい場合
- すでに下げ止まっている:2割に達した後は、何年たっても建物の評価はそれ以上下がりません。
- 建築費が上がっている:評価替えのたびに、建て直す費用の変化(建築物価)も反映されます。物価が上がる時期は、古くなった分の下がり方が打ち消されることがあります。その場合でも、評価額は前年度より上がらず、前年度の額に据え置かれます(出典:総務省 自治税務局資産評価室)。
- 土地の分が大きい:地価の高い場所や、広い土地では、建物の分が小さくなっても土地の分が残ります。
計算の仕方(仮の数字)
| 時期 | 土地の分 | 建物の分 | 合計(年) |
|---|---|---|---|
| 新築のころ | 300万円 × 6分の1 × 1.4% = 7,000円 | 500万円 × 1.4% = 70,000円 | 77,000円 |
| 建物が2割まで下がった後 | 300万円 × 6分の1 × 1.4% = 7,000円 | 100万円 × 1.4% = 14,000円 | 21,000円 |
この例では建物の分は5分の1になりますが、土地の分の7,000円は変わりません。土地の評価がもっと高い場所では、合計に占める土地の分が大きくなり、築年数による「安さ」は小さくなります。都市計画税がかかる地域では、これに加算されます。
買う前に税額を確かめる方法
- 売主に納税通知書を見せてもらう:毎年届く固定資産税の納税通知書と課税明細書に、土地と建物それぞれの評価額と税額が書かれています。
- 市区町村の窓口で確かめる:評価額の証明書の取り方や、閲覧できる人の範囲は市区町村に確認します。
- 買った後の年数も考える:建物がまだ下がっている途中なら、今後数年の税額の動きも聞いておきます。
買うときにかかる税金(登録免許税・不動産取得税など)は、1,000万円で終の棲家は買えるかで整理しています。
出典と確認日
数字や制度は、次の公的な情報源で確認しました。制度は改正されることがあるため、利用前に最新の情報を確かめてください。
- 総務省「地方税制度|固定資産税の概要」
確認した内容:1月1日の所有者に課税、標準税率1.4%、免税点(土地30万円・家屋20万円)、小規模住宅用地(200㎡以下)は6分の1、3年ごとの評価替え、宅地は地価公示価格等の7割を目途に評価
確認日: - 国土交通省「土地の保有に係る税制(固定資産税・都市計画税)」
確認した内容:都市計画税の制限税率0.3%、小規模住宅用地は3分の1
確認日: - 総務省 自治税務局資産評価室「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)」
確認した内容:木造家屋の評価額は築年数(経年減点補正率)で下がるが、最終残価率は0.20(新築時相当の2割)で下げ止まること。家屋の評価は再建築価格を基準にすること
確認日: - 総務省 自治税務局資産評価室「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)」
確認した内容:木造の専用住宅の経年減点補正率は、1㎡あたりの再建築費評点数の区分によって、経過年数15年・20年・25年・35年で0.20に達すること。建築物価の変動で評価額が前年度を上回る場合は、前年度の評価額に据え置かれること
確認日: